主人

巨大な魚を見た。

 

連日の雨で川の水量は増水し

川は轟々と唸るように河口へと向かっていく。

その中に大きな影を見た。僕は勝手にその川の主と呼ぶ。

 

頭は流れとは逆の方へ。

川底の草の靡く様子を見る限りかなり流れは速い。

堂々とその流れに逆らう姿に目をやった。

 

その巨大な魚、主は影に隠れたが、

勇敢に立ち向かう姿を見れて高ぶった。

 

また、川底を覗けば出会えるだろうか。

 

私も凛として挑んでいきたい。

私の人生の主として。